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Mr. tare 2






さて、タレ君の制作秘話です 。。。






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フエルト作品を制作させて頂く際、モデルの子達のご愛用品も一緒に制作させて頂く事があります。
今回のタレ君も、彼のお気に入りのお品の依頼を頂戴致しておりました。

オプション品を制作する場合、通常は一番最後。
まずフエルトのその子ご自身を完成させた後、バランス等を加味しながらオプションの制作をします。
今回も、いつもの様にいつもの流れ、自然のペースでタレ君に取り掛かりました。

『 さぁタレ君、はじめるよ。 どうぞよろしくね!  』



  ・・・ だけど ・・・

 ( あれ・・・ 全然手が進まない・・・   ;    )



大体の骨組みを整えたところから、全く前に進めないのです 。。。
ニードルを置いて、もう一度タレ君とおはなし。
でも、どんなにタレ君に話しかけてみても、こたえがまったくみつからない 。。。

( しばらく猫ちゃんを作っていなかったから身体が猫ちゃんを忘れているのかも・・・ )

アセる気持ちをなんとか抑えじっと考え、 きっと、そうなのだと思いました。
あたりまえの事ですが、猫と犬とでは身体の造りががまるで違います。
しなやかな骨格、流れのあるフォルム、頭の丸さや大きさ・・・
展示会等で犬と猫を同時に何体も制作する際も、犬⇔猫の感覚をスイッチさせるのは結構大変でした。
猫ちゃんは2年近く手掛けていなかったので、きっとそこが原因かと思ったのです。

( まずは、基本に帰ろう ・・・ )

すぐに、近所の猫ちゃんが集まりそうな公園にスケッチブックと鉛筆を持って出掛けました。。。










                   ★









スケッチは拍子抜けするくらいサクサクすすみました。

(猫のシルエットって本当に綺麗で画になるなぁ・・・)なんて、
(タレ君だったらこんな感じかなぁ・・・)なんて思いながら、沢山描きました。
散々描かせて頂いた後ちょっと手を休めて、
熱いコーヒーの入った水筒を片手にモデルになってくれた猫さん達をぼんやり眺めていたら、
思い思いにひなたぼっこを楽しんでいた彼等が私の傍に、1匹、2匹 ・・・

きっと何処かのお宅の子達なのでしょう、どの子もとても人なつこくて綺麗な子。
そのうち、
(もしかしたら、デッサンが問題の原因に繋がるのでは無いのかもなぁ・・・)なんて。
彼等のゴロゴロと鳴る柔らかい首を撫でながらタレ君と重ね合わせ暫くぼんやり考えていたら ・・・


 ( あぁ、 そうなのかも ・・・    !  )


突然急に何となく開けた様な気がして、とりあえず猫さん達にお礼を告げて一路家へ。
帰り着くなりタレ君の沢山のお顔を見て、( やっぱりそんな気がする。。。 ) 
そしてその日のうちに一気に黙々とある作業。
一晩かけて仕上げた後、夜遅くにベッドに潜り込んで( きっとこれで大丈夫なはず。。。 ) 



 『 さぁタレ君、今度こそどうぞよろしくね!  』




予感は的中(笑)
翌日からはコレまでがウソみたいに滑る様に手が勝手にどんどん進みました。

一気に仕上げたものとは “ タレ君愛用のベッド ” 。  

そう、 タレ君には、まずベッドが無いとダメだったのです。
寝たきりのタレ君が一日を過ごした、丸くてふわふわの大好きなベッド。
きっと、タレ君も一生懸命伝えようとしてくれていたのだろうけれど、
私の方が上手く彼の気持ちをくむ事が出来ていなかったのです・・・ タレ君ゴメンね・・・










                   ★











制作はいつでもスムーズと云うワケではありません。
むしろ、毎回試行錯誤の新たなチャレンジです。
モデルの子と上手くコミュニケーションが取れない場合もありますし、
その子ご自身のポーズや表情、コートスタイルに苦戦する事もありますし、
勿論、私自身の状態がスランプに陥る場合もあります。
けれどもその度、なんらかの糸口をつかんでは解決をして来たつもりです。

でも今回のタレ君ほど、入口からピタッと身動きが取れないと云うのは初めての経験でした。
お写真を拝見させている時点ではそんな気配も感じなかったのに、ニードルを握ったら全くダメでした。

実は、デッサンは午前と午後に分けて2度、まるまる1日行っています。
午前のデッサンがスルスルと進んだのでコレで大丈夫と家に戻りニードルを握ったけれどまるでダメ。
どんなにタレ君に話しかけても何となく寂し気なイメージばかりで原因が全く解らない。。。
(このまま動けなかったらどうしよう・・・) この時は本当にこれまでに無い動揺を覚えました。
アトリエに居ても悶々とするばかり・・・でもこのままではダメ・・・ 
今度はタレ君のお写真を胸ポケットに、タレ君と一緒に 『・・・よしっ!』 ともう一度同じ場所へ。
そして、上の様な事の運びとなったのです。






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わたしとあなた。
これまでずっと、そんな立ち位置で向かい合ってお話をして来たからかもしれません。
タレ君の場合は、タレ君と同じ場所に寝転んで、タレ君の眼の中からこちらを見る必要が在ったのです。


私が制作の際に使用するクッションは平たくて結構硬質。
ふかふかベッドに身体を預けて生活をしていたタレ君、きっと居心地が悪くて仕方がなかったんです。
だからベッドを仕上げた後、異例ですが、タレ君の制作は基本このベッドの上で進めました。
ベッド本体を傷つけない様に、汚さない様に、細心の注意を払いながら・・・

それから、ベッドの縁に頭をもたげて地面に近い部分から見上げた景色。
いつも見おろしているものは上に、見上げているものはもっと上に見えました。
( あぁ、タレ君は大好きなママのお顔がよく見える様、
   首を一生懸命色々な方向にひねっては視線を高く保っていたんだな・・・)
そんな事も理解する事が出来ました。
仕上がったフエルトタレ君のお首が心無しかシャンとして見えるのは、
きっと、タレ君ご自身の想いなのかもしれません。。。



その子にはその子に一番合った制作スタイルをまず見つけてあげる事。
とても大切な事だったのに今まで見えていなかった事。
タレ君に気付かせて頂きました。




  『 タレ君、本当にアリガトウね ... ! 』









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こんな制作ウラバナシでした。

作家としての葛藤、お見苦しい部分も在るかとこの場でお話しする事を本当は少し躊躇したのですが
私は未だ未だ未熟でありこんな感じでいつも結構必死に取り組んでいるのです(笑)と云う現実、
それから、
モデルの子達やご家族や取り巻く様々な諸々との素晴らしくステキなコミュニケーションの存在、
ソレが在るからこそコレが成立するのですと云う、作品のその裏に広がる世界も知って頂きたくて、
つらつらと書かせて頂きました。
長々と、大変失礼を致しました・・・ 


さいごに、タレ君のママさん、
『 タレくんを見たら泣いちゃうのかなぁ・・ってちょっと怖かったんですが、
       開けた瞬間、私の顔からこぼれたのは涙じゃなくて笑みでしたよ! 』
と云うメッセージ、ホントウに嬉しかったです。
タレ君もお家に帰る日が楽しみで楽しみで、毎日ニコニコしていましたょ ^^

タレ君とタレ君のご家族の皆様、 本当にどうもありがとうございました !




















p.s.

今回は近所の猫さん達にもとってもお世話になりました。
タレ君お届け後の報告も兼ね、彼等にキチンとデッザンモデルと諸々のお礼、しに行きましたょ。
( タレ君のママから制作の資料にとジャーキーの現物を頂戴していたのです ^^ )

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セミモイストタイプの極上ジャーキー、
猫さんにお裾分け後はチャコリズで有難く美味しく頂いております。
『 ナニこれオイシーーーッ! 』って、目をまん丸くして夢中で頂いていますョ ^▽^
タレ君、ママさん、ゴチソウサマでした。




あ、それから余談ですが、
私は “ 海辺のカフカ ” の “ ナカタさん ” の様に猫さんとお喋りが出来る訳では在りませんので、
アシカラズ ・・・ ! (笑)
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by mecall | 2010-02-12 14:56 | felt dog
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ゆららかなる日々・・・


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